写真というものは、不思議なものだと思います。

小さい頃の写真を見返すと、その時の景色や空気を思い出すことがあります。

「あの場所へ行ったなあ。」

「こんな服を着ていたなあ。」

そんなふうに、写真をきっかけに、昔の記憶がふわっと蘇ることがあります。

でも最近、ふと思いました。

写真には、写っているものだけではなく、“写っていない人の存在”も残っているのではないか、と。

その瞬間を残したいと思って、カメラを向けてくれた人。

「かわいいなあ。」

「この時間を残しておきたいなあ。」

そんな気持ちで、シャッターを押してくれた人。

もし、その人が写真を撮ってくれていなければ、その一枚は、この世に残っていません。

だから写真というのは、単なる記録ではなく、誰かの優しさや愛情が形になったものなのかもしれません。

写真を見返した時、そこに写っている景色だけではなく、

「これ、お父さんが撮ってくれたんかな。」

「お母さんが残してくれたんかな。」

そんなふうに、写真の裏側にいる人の存在まで感じられると、写真というものが、少し違った深いものに見えてきます。

写っているものだけではなく、“残そうとしてくれた気持ち”まで含めて、写真なのかもしれません。