仕事で使う道具を、自分のお金で買う。
それは、効率だけを考えれば、もしかすると合理的ではないのかもしれません。
会社で使うマウスやキーボードなら、会社の経費で揃えることもできます。
けれど、自分で選び、自分でお金を払って手に入れた道具には、どこか特別な感覚があります。
それは単なる「物」ではなく、少しずつ“相棒”のような存在になっていく感覚です。
例えば、毎日触れるマウス。
手に馴染んでくる感覚。
クリックの感触。
机に置いた時の佇まい。
そういった小さな積み重ねが、仕事をする時の気持ちに、静かに影響している気がします。
「会社から支給された物」と、
「自分で選んで買った物」。
同じ道具だったとしても、そこに込められる感情は、どこか違う。
自分で選び、自分でお金を払い、愛着を持って使う。
だからこそ、自然と丁寧に扱うし、長く使いたくなる。
職人さんが、自分の道具を大切にする理由も、きっとそこにあるのだと思います。
僕の祖父も職人でした。
職人さんというのは、自分が使いたい道具を、自分で選び、自分で揃える文化があります。
それは見栄でも贅沢でもなく、“自分の仕事に向き合うための心意気”のようなものなのかもしれません。
道具は、ただ作業をこなすためだけのものではなく、毎日の仕事に寄り添ってくれる存在。
だからこそ、自分が「これがいい」と思える道具を選ぶことには、ちゃんと意味がある気がしています。